この夏、養子を迎えた家族の取材をしていた関係で、養子がテーマの映画「めぐりあう日」を見ました。

会社勤め中に仕事でお世話になった、岩波ホールさんからの紹介です。

ソウル生まれの監督さんが、養女としてフランスの家庭に迎えられた体験があり、養子をテーマにした映画は二作目。

原題が、強烈です。

「あなたが狂おしいほどに愛されることを、私は願っている」

ある作家が、娘にあてて書いた手紙の一節から取ったそうです。

愛している、ではなく愛されることを願っている…。

生みの親を求めた人にとって、支えになる深い言葉です。

母を探すロードムービーかなと思ったら、違うんですね。

描かれているのは、日常。

理学療法士の主人公、エリザ。息子と夫がいるけれど、息子を連れてパリから港町に移り住み、実母を探します。

患者さんの肌と心に密着する仕事の様子、夫や養父母との関係、息子とのこと。性や妊娠や子育てや。

現実のもろもろの合間に、生みの母を探して、それが意外な人で。

動揺した勢いで同僚と浮気してしまって、息子がそれを知って家出して…。

リアル。だけど、出てくる人たちのやさしい笑顔に引き付けられる。

だれが生みの母だったかは、ネタばれになっちゃうから書けませんが、みんな前を向く感じがさわやかなラスト。


最近は、大人の映画を見る機会があまりないけれど、物語にひたるのはいいものですね。(なかのかおり)